松本先生のmoji-base ~文字デザインを探求する~

文字の形についての本が好きで、モリサワの『書体見本帳』や平凡社の『人名字解』など眺めるだけでも楽しいのですが、私も文字を作って遊んでみたい。そう思っていたら、デジタルハリウッド松山の松本先生が〈 moji-base 〉という会を始めるという情報を見つけて早速参加してきました。

1人で黙々と作るより、会のメンバーと並走して作るほうが満足できそうだなとも思いました。

今回〈 moji-base 〉で取り組むのは、松本先生が担当されるイベント〈 瑞宝太鼓 愛媛公演 | 障がい者芸術文化祭パラアートえひめ2025 〉の関連企画です。瑞宝太鼓の演奏を聴き、音を文字で表現する実験を行うため、デジタルハリウッド松山の在卒生に声をかけてくれました。

瑞宝太鼓
1987年知的障がい者の余暇サークルとして発足。楽しみながら練習と演奏活動を続けてきたが、「プロになりたい」とたくさんのクラブ員から希望の声が上がり、その夢を叶えるため2001年に4名の団員で構成する「瑞宝太鼓」を結成。
今では日本全国、時には世界を舞台に年100回以上の公演や講習活動を行う。また全国の少年院・刑務所での演奏や学校公演、東日本大震災での支援活動を通して社会貢献活動も行っている。
「希望し、努力し、感謝して生きる」をテーマに、特技・特性を活かした活動を展開している。
https://www.zuiho-taiko.com

制作の方向性(大きく分けて3パターン選択肢)

  • キャッチコピーに重点をおきビジュアルで魅せる工夫
  • 文字を図形化したロゴマークやロゴタイプに近いもの
  • 図形を選びグラフィック(絵)を描く

まずは、瑞宝太鼓のYouTubeチャンネルで演奏を視聴し、そこから連想される言葉や色合いや形を想像し、思い思いにアイデアを出し合います。デザインの相談・調整のために、日程を決めてZoomとstudio松山(現地)で集まり、黙々とアイデア出しと修正を繰り返しました。演奏の中で注目したところや、伝えたいと思ったところが、それぞれ違うことがわかり、多様な共感ポイントが複数集まることで、瑞宝太鼓の演奏に対しての印象がより立体的に観察できたような気がします。

掲示方法は、A2ポスター(カラー)と、はがきサイズの活版印刷(黒一色)の2種類に挑戦。制作中は、活版印刷について図書館で本を借りて調べたり、本屋で簡易版の活版印刷キットが売られているのに気が付いたり。良い刺激になりました。

ポスターが完成する前に「デジハリ松山の卒業制作の日に合同で、制作意図などを発表する機会を設けませんか」とお誘いいただき発表会も実施。人前で発表する・プレゼンするのが苦手なので、こういう機会をいただけた時は、デジハリ松山の皆さんの胸を借りるつもりで練習させてもらっています。

瑞宝太鼓 愛媛公演 会場ロビーで作品展示

瑞宝太鼓 愛媛公演 | 障がい者芸術文化祭パラアートえひめ2025

2025年10月19日、砥部町文化会館で開催。愛媛県内障がい者太鼓団体の活動披露と、世界で活躍する瑞宝太鼓の公演を楽しめる特別な一日。入場無料・事前申込制。

2025年10月19日、砥部町文化会館へ展示を見に行ってきました。

和太鼓の演奏は繊細かつ大迫力で、演奏を聴くだけでも満足感がある上、観客を巻き込んでのエンターテイメントのShowとしての面白さもある、素晴らしい舞台でした。

運営の方々も〈 moji-base 〉の活動をあたたかく迎えてくれているのを感じ、文字デザインの感想やグッズ展開についてもお話して下さる様子をうれしく思いました。

moji-base の実験レポートが『日本タイポグラフィ年鑑2026』に

日本タイポグラフィ年鑑 2026 研究・実験・自主制作部門 入選
文字とカタチ「瑞宝太鼓」
https://www.typography.or.jp/

そして、たいへん嬉しいことに、今回の実験レポートが、
松本先生が所属されている「日本タイポグラフィ協会」発行の『日本タイポグラフィ年鑑2026』の審査を通過しました!
憧れのタイポグラフィー年鑑! 松本先生ありがとうございます!

「自身の作品はインスタ等でアップして頂いてOK」とお返事をいただきましたので、こちらで掲載します。

12月11日・12日・13日の3日間 松山銀天街「BE-FLAT」で再展示

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