ひとりインハウスデザイナーのHPリニューアル

写真提供: ACworks /photo AC

ブログをはじめた理由のひとつに、「インハウスデザイナーの先輩に出会いたい」という目的があります。

日本の会社の約99%は中小企業。そして私の働いている会社も中小企業で、さらにその中の「小」のほう、日本の会社の約80%を占める「小規模事業者(社員5名以上20名以下)」です。

少ない人数(私たちの会社は10名以下)で複数の事業を運営すると、ひとつの事業に複数の担当を割り振ることが難しく、専任の担当はひとり。「一部署ひとり、だねー」と笑いながら、仲良く働いています。

純粋なデザイナー業務はなく、事務仕事を拡張した先にデザインがあっただけなのです。

そんな小さな会社でも、WEBのバーチャルな世界に存在していられるように、準備しないタイミングがやってきます。数年前の、大規模な「不要不急の外出自粛」がきっかけで、「在宅ワーク」が推奨されるなど、私たちはリアルな世界だけで生きていては「弱い」のではないかということを想い始めます。

当時の私は、WEBの仕組みも知らず、「アカウントとパスワードいっぱいつくるのコワイ」と思っていましたが、そんなことを言っている場合ではありません。

最初に取りかかったのはHPの改修でした。会社HPは、外注している制作会社が管理しているので、システムを構築するような作業はありません。私の役割は、WEBサイトの導線を整えて、「楽しむ」を目的に見ている人と、「依頼する」を目的に見ている人が、最短で目的にたどり着けるようにすることでした。当初のサイトはPC版のみの設定になっていて、この機会にmobile対応をしておきたいということも、相談しました。

どうすれば、サイトに来た時に安心してもらえるのか。
どうすれば、マネージメント担当のみんなと連携がとれるだろうか。

制作会社の方はとても親切で、サイト制作の心強いパートナーです。しかし、私たちの会社のマネージメント状況については素人です。あたりまえですよね、他人の会社のマネージメント状況なんて、聞かなければわからないですね。じゃあ、それを説明して、すり合わせしてくれるのは誰なんだというと、それは社内の人間です。私たちの会社と制作会社をつなぐ通訳をする人が必要になったのです。

写真提供: ⭐︎AKA⭐︎/photo AC

サイトデザインのノウハウがなかった私は、とにかく、たくさんのサイトを見て必要な要素をひとつずつ集めていきました。その中でもっとも参考にしたのが、糸井重里さんが代表を務める、ほぼ日刊イトイ新聞 のWEBサイトでした。

トップ画面に、「行きたい部屋の扉がすべて収まっているようにしたい」そう思いました。
そして、「扉には、やさしくてわかりやすい言葉をつかった看板を掛けておきたい」

illustratorで、なんとかPC版とmobile版の両方の導線がわかるように資料を作り、その資料を見て、制作会社の方が図式化してくれました。(のちに、私はそれが「サイトツリー」というものだと知ります。サイトに存在するコンテンツをツリー状に表したものです。)

その後、WEBサイトは無事にリニューアルし、mobileからも閲覧しやすくなりました。

書いたり工作したり、物を作るのが好きな私にとっては、今思い返しても、とても楽しいWEBデザインとの出会いだったなと思います。こうして、「会社」と「私」と「WEBデザイン」とのお付き合いが始ったのでした。

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参考文献:https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/chu_kigyocnt/2023/231213chukigyocnt.html